原文出處 朝日新聞 (所有圖文版權皆屬原著作權人所有)
家族が亡くなったあと、故人が持っていた蔵書などをどうしたらいいのか。困っている人は多いのではないでしょうか。俳優の司葉子さんもいま、そんな悩みを抱えているそうです。自宅を訪ねると、2019年4月に99歳で亡くなった夫で、元大蔵事務次官や衆院議員を務めた相沢英之さんの膨大な蔵書が地下の書庫に残されていました。司さんの悩みをうかがっていると、結婚した際の思い出話や、往年の総理とのエピソードも飛び出しました。
《自宅の地下室には、図書館の書庫にあるような移動式書架が12列並ぶ。文学全集や哲学書、雑誌、「大蔵省」の文字が書かれた冊子類も。書架に収まりきらない本や資料は、床から天井まで届きそうなほど山積みになっている》
地下室の書庫は、パパが30年ほどまえ、この家を建てたときに書籍類を置くところがほしいから、地下は全部そうしようって決めたんです。親しくしていただいていた作家の水上勉先生や有吉佐和子先生から書庫の話を聴いて、あこがれていたんじゃないかしら。
それでも入りきらないくらい、どんどん増えてしまって。2階のお風呂場も、本でぎっしりなんですよ。お風呂場は、私の希望でつくったんです。パパのお供でニューヨークやパリに行ったときに、おうちにもステキなお風呂があるのにあこがれ、まねしました。なのに、いつの間にかそこまで書庫になってしまいました。
本が好きで、とにかく忙しいときでも、夜寝る前とかに読んでいました。本当は小説家になりたかったそうですよ。でも才能がないとあきらめて大蔵省に入った。それでも好きで、書いてもいました。衆院議員時代に旧ソ連での抑留経験を元に書いた小説「タタァルの森から」とか、議員引退後に弁護士になってから書いた「予算は夜つくられる」は出版もしていただいたんですよ。